二人は場所を山中温泉からお隣の山代温泉に移します。
山代温泉のほぼ中心地にある、ちょっと場末感漂う喫茶店で一息入れる事にしました。
夜のお店を改装したと思われるそのお店には、肝っ玉母さん風のママと少し離れてほんわかのんびり風のチーママがカウンターの中に座っています。
でもここは喫茶店です(笑)。
ママとチーママの間にはモニターがあり、三国ボートのレース中継が映し出されています。同学年であり伊藤さんのご友人でもある今垣光太郎選手が出走されるとのことでした。
伊藤さんの話によればこちらのママさんは公営競技が大好きだそうで、彼のレースも必ずチェックしているそうです。
初めて来ましたが何故かほっと落ち着ける雰囲気です。
レースを観戦しながらインタビュー再開です。
A「選手歴が長いですがお怪我などの経験はおありですか?」
伊「何度も転倒していますし、怪我はたえませんが、一番酷かったのは5年前の転倒による頸椎ヘルニアでした。」
A「ほう。それはどんな症状でしたか?」
伊「頸椎の神経が圧迫されて細くなり、首が動かしづらく、手足が痺れました。医者の診断ではレースはもう出来ない。神経の圧迫を除去する手術をしなければいけないとのことでした。」
A「それは大変でしたね。どうされたのでしょうか?」
伊「宣告を受けてから2週間位眠れない程悩みました。友人達の情報では頸椎の手術をすると必ず後遺症が残るとの事でした。考えた末、手術は行わないと決めました。まだ引退はしたくないので。」
A「それは大きな決断ですね!どういった行動を起こされましたか?」
伊「いくつもの病院を転々としました。その中に東京の水道橋にある病院の先生が手術なしで治ると断言してくれました。そちらで治療の他、針灸など良いと言われる事はすべて試しました。」
A「なるほど。その結果はどうなりましたか?」
伊「細くなっていた神経の通りが良くなりました(笑)痛かった首も痛くなくなりました。」
A「それはすごい!」
伊「結局のところ何が原因で治ったのか分かりませんが、今治っているのは事実です。」
A「最後まで諦めてはいけないということですね!私も希望が湧いてきました(笑)」
伊「ええ。諦めないで頑張って下さい!」
A「ありがとうございます!」
この後もいろいろなお話を伺いました。食生活はグルテンフリー(小麦抜き、米は玄米)を心がけていること。自ら所有するアパートの一室を改造して作ったプライベートジムでレース期間中以外は練習している事。
伊藤さんの思考回路は限りなく前向きで、やはりストイックでした!(笑)
余談ですが彼はその翌日、マウンテンバイクにて水無山を登攀されています!
競輪選手は一日一日が勝負の世界です。一定期間連続して成績の振るわない選手は、選手登録を消除されます。一度登録を消除されると現役復帰は出来ません。
がんばれ伊藤さん!
次の出場は 豊橋F1戦 (11/21~11/23)
ここまで読んで頂いた方。ありがとうございます。
伊藤 健詞さんを応援しよう!
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